不登校問題について

不登校とは文部科学省の調査では「不登校児童生徒」とは「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義しています。

不登校児童生徒数の推移と不登校児童生徒の在籍学校数、不登校の原因
 全国の小中学校の不登校児童生徒数については平成3年では66,817人だったものが年々増加し平成8年では94,351人、平成13年にいたっては 138,722人となっています。また平成13年時点での全国の小中学校34,148校のうち不登校児童生徒が在籍する学校数は実に19,663校に達し 全体の57.6%を占めています。
不登校になった直接のきっかけとしては、友人関係・学業不振など学校生活に起因するものが36.2%、病気な ど本人の問題に起因しているものが35.0%、生活環境・家庭不和など家庭生活に起因するものが19.1%となっており、子どもたちを取り巻く環境がより 複雑で問題が容易に解消できない実情が垣間見れます。
また不登校の要因や背景としては、平成13年度においては不安など情緒的混乱が 26.1%、複合(複合的な理由によりいずれの理由が主であるか決めがたい)が25.6%、無気力が20.5%となっています。これらの推移を見ると、近 年「複合」の割合が伸びており、不登校の要因・背景の複合化や多様化の傾向があります。また中学校においては、「あそび・非行」の割合が高い状況にあります。

また、不登校との関連で新たに指摘されている課題として注目されているものに、学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害 (ADHD)等があります。これらの児童生徒は、周囲との人間関係がうまく構築されない、学習のつまずきが克服できないといった状況が進み、不登校に至る 事例は少なくないとの指摘もあります。さらには、保護者による子どもの虐待等、登校を困離にするような事例も含まれており、個々の児童生徒が不登校となる 背景にある要因や直接的なきっかけは様々で、要因や背景は特定できないことも多いという点にも留意する必要があります。 

(文部科学省:平成15年3月)

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