高校中退者の就職率

高校中退者の就労率は56.2%にとどまる。7割以上はフリーター。
内閣府は2011年3月、高校中退者の意識に関する調査 結果を発表しました。それによると高校中退者の半数以上が現在就業中ですが、うち7割以上がフリーター・パートの雇用形態にあることが分かりました。正社 員は2割足らずでしか無く、中退者の多くが経済的に極めて不安定な状態に置かれているのが確認出来ます。
今回の調査は高校中退後概ね2年以内の 人を対象に、高校経由で中退者2651名に対し調査票を郵送したものです。その結果、1176名分の返送を受け、その返送分を基に集計されています。男女 比は47.1対52.2(他に無回答0.7)、2010年4月時点の年齢は17歳39.5%・16歳28.9%・18歳21.3%などです。
高校中退者が現在している事、つまり現在の社会的立ち位置について聞いたところ、56.2%の人は「働いている」と答えました。一方、何らかの形で在学中な人は30.8%。他に「仕事を探している」13.6%といったところです。

高校中退者が現在していること
「仕事を探している」人は、「在学中」などの項目も回答している可能性はありますが、それでも1割以上の人が「仕事をしたいにも関わらず見つからない状 態」にあるという、厳しい状態に置かれていることが分かります。仕事面での厳しさが分かるのは、次項目での「現在働いている人」の内訳によります。7割以 上が「フリーター・パートなど」であるのが確認できます。

中退者のうち現在働いている人の内訳高校を中退して正社 員になったのはわずか17.1%。今件調査母体のほとんどが高校中退の若年層であることを考えると、「高校生の就職内定率77.9%(2010年12月末 時点)」や「大卒正社員率82.7%」で触れている高卒・中卒者よりもはるかに厳しい立ち位置にあることが分かります。
 一方、現在通信制高校在学が約半数、1/3が全日制・定時制高校。中にはいわゆる「大検」を受け、大学に通う者も1割程度確認できます。

厳しい高校中退者の就職
 高校中退理由は多種多様で、また本人や所属世帯の事情もあり、一概にその実情を判断することは出来ません。しかしこの調査結果を見る限り、全般的に高校中 退者の多くは経済的に厳しい状態におかれていることが見えます。そして、高校を中退しても容易に就職口が見つからない現状を考えると、「安易に高校中退の 選択をしないこと」出来ることなら「通信制高校などへの転編入」し、高校卒業資格を取得することが求められます。

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